敵を知り己を知れば百戦危うからずという言葉があるように、U字ロックを使って愛車を守り抜くためには、窃盗犯がどのような手口を使ってその強固な金属の塊を破壊しようとするのか、その具体的な攻撃方法を知り、それに対抗できる正しい製品選びと使用法をマスターすることが不可欠です。U字ロックに対する最も一般的な破壊手口はボルトクリッパーによる切断ですが、これに対抗するためには、アームの太さが最低でも12ミリ以上、できれば15ミリ以上あり、なおかつ「焼き入れ鋼(ハードゥンドスチール)」などの高強度素材が使われている製品を選ぶことが鉄則で、パッケージに記載されているセキュリティレベルや第三者機関による耐切断テストの結果を参考にすると良いでしょう。次に恐ろしいのが、U字のアーム内側の隙間に車のジャッキなどを差し込んで無理やり押し広げて破断させるジャッキアップ攻撃ですが、これを防ぐためには、フレームやホイールとロックの間に拳一つ分も入らないような、必要最小限のサイズのU字ロックを選ぶことが重要であり、「大は小を兼ねる」という考えで無駄に大きなサイズを選ぶことは防犯上逆効果となります。また、電動グラインダー(サンダー)による切断は、火花と騒音が出るため犯人も敬遠しがちですが、それでも強行突破されるリスクはゼロではありませんので、両方のアームを切断しないと外れない「ダブルデッドボルト」と呼ばれる機構を採用したロックを選ぶことで、切断作業を二回強いらせて時間を倍稼ぐことができます。さらに、鍵穴をドリルで破壊したりピッキングしたりする手口に対しては、アンチピッキングシリンダーやドリルガードプレートが装備された製品を選ぶことで対抗可能です。そして何よりも、どんなに優れたロックを選んでも、地面に近い位置に取り付けるとテコの原理を利用されやすくなるため、できるだけ高い位置で、かつ固定物と密着させるように取り付けることで、犯人が工具に力を入れにくい体勢を作らせることが、物理的な強度以上に重要な防御策となります。正しい知識を持って選び、正しく取り付けることで、U字ロックは「意味ない」どころか、犯人が最も嫌がる最強の番人として機能するのです。