キーレスキーのランプは光るのに、車が全く反応しない。そんな絶望的な状況に陥った時でも、すぐにロードサービスを呼ぶのはまだ早いかもしれません。専門家を呼ぶ前に、ご自身で試せるいくつかの簡単な対処法が存在します。これらの方法で、意外とあっさり問題が解決することも多いので、ぜひ落ち着いて試してみてください。まず、最初に試すべき、そして最も効果が期待できるのが「キーの電池交換」です。前述の通り、「光る=電池は十分」とは限りません。LEDを光らせる力と、電波を飛ばす力は別物です。コンビニや百円ショップで、キーに適合する新しいボタン電池(CR2032など)を購入し、交換してみましょう。この一手間で、嘘のように症状が改善されるケースが非常に多くあります。次に、電池を交換しても状況が変わらない場合は、「キーの再設定(同期作業)」を試してみる価値があります。これは、何らかの原因でズレてしまったキーと車両のID情報を、再び一致させる作業です。この手順は、自動車メーカーや車種によって異なりますが、一般的には「キーをイグニッションに差し込み、特定の操作(ON/OFFを繰り返す、ドアロックボタンを長押しするなど)を行う」といった方法が、取扱説明書に記載されています。一度、ご自身の車のマニュアルを確認してみてください。また、「電波障害」が疑われる場合は、物理的に場所を変えるのが最も手っ取り早い解決策です。もし可能であれば、車を数メートルでも移動させてみてください。あるいは、キーを頭の高さに掲げたり、フロントガラスに近づけたりして、キーと車両の受信アンテナとの間の障害物を減らすことで、通信が改善されることがあります。そして、意外な盲点が「車両本体のバッテリー上がり」です。キーが正常に電波を発信していても、車両側のバッテリーが上がっていては、受信機やドアロックモーターを動かす電力がなく、当然ながら反応しません。ルームランプやヘッドライトが点灯するかどうかで、バッテリーの状態を簡易的にチェックできます。これらの対処法を全て試しても、なおキーレスが反応しない場合は、キー本体の基盤故障や、車両側の受信システムの故障といった、専門的な修理が必要な状態と考えられます。その際は、ディーラーや信頼できる修理工場に相談しましょう。