オフィスや店舗、工場などで使用されていた業務用金庫(大型耐火金庫や防盗金庫)を処分する場合、家庭用金庫とは異なり、事業活動に伴って排出されるゴミとして扱われるため、法律上「産業廃棄物」に該当することになり、その処理には厳格なルールが適用されます。これを家庭ゴミのように自治体の回収に出そうとしたり、無許可の業者に引き渡したりすると、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」違反となり、排出事業者(つまり依頼した会社や店主)も罰則の対象となる可能性があるため、コンプライアンスの観点からも適正な処理が求められます。業務用金庫を処分する際の正しい依頼先は、「産業廃棄物収集運搬業」および「産業廃棄物処分業」の許可を持つ専門業者であり、契約時には必ず書面での委託契約を結び、回収から最終処分までの流れを記録した「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」を発行してもらい、適正に処理されたことを確認して保管する義務があります。業務用金庫は数百キログラムにも及ぶ重量があるため、搬出にはフォークリフトやハンドリフト、解体にはガスバーナーなどの専門機材が必要となることが多く、費用も数万円から、場合によっては十万円単位になることも覚悟しなければなりません。しかし、一方で状態が良い業務用金庫や、比較的新しいモデルであれば、中古市場での需要も高く、金庫専門の中古販売業者やオフィス家具買取業者に買い取ってもらえる可能性も残されています。買取が成立すれば、高額な産廃処理費用がかかるどころか、現金化できる上に搬出も業者が行ってくれるため、企業の経費削減に大きく貢献します。したがって、業務用金庫を処分するフローとしては、まず買取業者に査定を依頼し、値段がつかなかったり引き取り不可だったりした場合に初めて、産廃業者に見積もりを依頼して廃棄処分するという手順を踏むのが最も合理的で経済的な進め方と言えるでしょう。