毎日、私たちの安全を守ってくれている玄関オートロック。しかし、精密な電子機器である以上、時には故障や不具合を起こすこともあります。いざという時に慌てないためにも、よくある故障の症状と、その原因、そして私たちが取るべき対処法について知っておきましょう。まず、よくあるトラブルが「鍵(非接触キーなど)をかざしても、ドアが開かない」という症状です。この場合、最初に疑うべきは、鍵そのものの不具合です。ICキー内部のチップやアンテナが、落下などの衝撃で破損してしまったり、磁気を発するもの(スマートフォンや磁気カードなど)と長時間一緒に保管していたことで、データが破損してしまったりする可能性があります。もし、スペアキーを持っているなら、そちらで試してみて、開くようであれば、原因は鍵本体にあると特定できます。次に、「特定の部屋だけが呼び出せない、あるいは室内から解錠できない」というケース。これは、集合玄関機とあなたの部屋のインターホンとを結ぶ配線に、断線などの問題が生じている可能性があります。また、インターホン本体の故障も考えられます。この場合は、個人で対処することは困難です。そして、最も深刻なのが「オートロックのドアが、閉まっても施錠されない、あるいは開きっぱなしになる」という症状です。これは、電気錠本体の故障や、ドアの開閉を検知するセンサーの不具合、あるいはドアの速度を調整するドアクローザーの劣化・油漏れなどが原因と考えられます。この状態を放置すると、マンション全体のセキュリティが失われ、誰でも自由に出入りできる、極めて危険な状態になります。これらのトラブルが発生した場合、私たちが取るべき行動は、ただ一つです。「速やかに、マンションの管理会社または大家さんに連絡する」こと。オートロックは、個人の所有物ではなく、マンションの共用設備です。絶対に、自分で修理しようとしたり、勝手に鍵屋を呼んだりしてはいけません。管理会社に連絡すれば、保守契約を結んでいる専門のメンテナンス業者が、迅速に対応してくれます。トラブルの際には、正確な状況(いつから、どのような症状が出ているかなど)を、冷静に伝えることが、スムーズな復旧への第一歩となります。