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オートロック玄関の「共連れ」に注意!
高い防犯性を誇る玄関オートロックですが、そのセキュリティをいとも簡単に無力化してしまう、一つの大きな弱点が存在します。それが、「共連れ(ともづれ)」と呼ばれる侵入手口です。これは、特別な技術や道具を一切必要とせず、人間の心理的な隙を突いた、非常に古典的で、しかし効果的な手口です。その危険性を正しく理解し、日頃から対策を意識することが、オートロックの防犯効果を維持するために不可欠です。共連れとは、居住者が鍵を使ってオートロックのドアを開けた際、その直後を狙って、あたかも関係者であるかのように装い、ドアが閉まる前に一緒にするりと建物内に入り込んでしまう行為を指します。犯人は、宅配業者やセールスマンを装ったり、あるいは、ただの居住者であるかのように自然に振る舞ったりします。私たちは、後ろから人がついてきた場合、「同じマンションの住人だろう」と無意識に思い込み、ドアを開けて待ってあげたり、特に気にせず先に入ってしまったりしがちです。この、日本人特有の「性善説」や「他人への配慮」といった心理が、共連れを容易に成功させてしまう大きな要因となっています。一度、建物内への侵入を許してしまえば、オートロックはもはや何の意味も成しません。犯人は、各住戸の玄関ドアの前まで自由に到達でき、そこからピッキングや空き巣の犯行に及んだり、あるいはストーカー行為や悪質な訪問販売を行ったりするのです。では、この共連れを防ぐためには、どうすれば良いのでしょうか。最も基本的な対策は、「オートロックのドアを通る際は、必ず後ろを振り返り、不審な人物がいないか確認する」という習慣を、全ての居住者が徹底することです。もし、知らない人物が後ろにいる場合は、会釈をしつつも、先に入ってドアが閉まるのを待つ、という少しの勇気が必要です。「冷たい人だと思われたらどうしよう」と感じるかもしれませんが、それは、あなた自身と、他の全ての居住者の安全を守るための、責任ある行動なのです。また、もし不審な人物を見かけたら、挨拶をして「どちらまでご用ですか?」と声をかけるのも有効です。多くの不審者は、声をかけられることを嫌い、その場を立ち去ります。オートロックのセキュリティは、機械の力だけでなく、そこに住む一人ひとりの防犯意識によって、初めて完成するのです。
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在宅ワークの集中力を守るための鍵の後付け
新型コロナウイルスの影響で、在宅ワーク(リモートワーク)は、私たちの働き方としてすっかり定着しました。しかし、多くの人が直面しているのが、「自宅では仕事に集中できない」という問題です。その大きな原因の一つが、家族、特に小さなお子さんによる、仕事部屋への予期せぬ「侵入」です。重要なオンライン会議中に、子供が部屋に入ってきてしまったり、集中して資料を作成している最中に、ペットが乱入してきたり。そうした中断は、仕事の効率を著しく低下させ、大きなストレスとなります。この問題を解決し、自宅に「聖域」とも呼べる集中空間を確保するために、極めて有効なのが、「仕事部屋のドアに鍵を後付けする」ことです。鍵をかけるという行為は、単に物理的にドアを開かなくするだけではありません。それは、家族に対して、「今、私は集中して仕事をしているので、入ってこないでください」という、明確で、しかし無言の意思表示となります。ドアに「仕事中」の札をかけるよりも、はるかに強力なメッセージとなるのです。これにより、家族も「今は邪魔をしてはいけない時間なのだ」と認識し、お互いのストレスを減らすことに繋がります。では、どのような鍵を取り付ければ良いのでしょうか。賃貸物件であったり、大掛かりな工事をしたくない場合は、前述の「ドアノブごと鍵付きのものに交換する」方法が、最もスマートで確実です。ドライバー一本で設置でき、見た目も自然です。退去時には、元のドアノブに戻せば問題ありません。また、室内側からのプライバシー確保だけで十分であれば、工事不要の「簡易ロック」も有効です。ドアとドア枠に、両面テープで貼り付けるタイプの、スライド式や回転式のロックであれば、誰でも簡単に設置できます。在宅ワークの生産性は、いかにして「集中できる環境」を構築するかにかかっています。仕事部屋に鍵を後付けすることは、決して家族を締め出すための、冷たい行為ではありません。それは、仕事の時間とプライベートな時間を明確に区切り、家族と良好な関係を保ちながら、プロフェッショナルとしての成果を出すための、賢明で愛情のある「空間管理術」なのです。
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100均グッズでできる?鍵のない部屋の簡易施錠術
鍵のない部屋に、どうしても一時的に鍵をかけたい。本格的なロックを買うほどではないけれど、今すぐ、手軽に、そして何よりも安価に、プライバシーを確保したい。そんなわがままな願いを、もしかしたら100円ショップで手に入る、身近なグッズが叶えてくれるかもしれません。ただし、これらはあくまで応急処置的なアイデアであり、防犯性能を保証するものではないことを、あらかじめご理解ください。まず、最もシンプルで、多くの人が思いつくのが「ドアストッパー」です。100円ショップでも、ゴム製やシリコン製のドアストッパーは、様々なサイズやデザインのものが販売されています。ドアを閉めた状態で、ドアと床の隙間に、これを力一杯ねじ込むだけ。外からドアを開けようとする力を、床との摩擦力で受け止め、簡易的なロックとして機能します。より強度を高めたい場合は、二つ、三つと重ねて使うと良いでしょう。次に、少し応用編として、「突っ張り棒」を活用する方法があります。もし、ドアノブのすぐ近くに、頑丈な壁や柱があれば、その間に短い突っ張り棒を、ドアノブをがっちりと押さえつけるように設置します。これにより、ドアノブが回転するのを物理的に防ぎ、ドアが開かなくなるという仕組みです。突っ張り棒の長さを正確に調整し、かなり強い力で突っ張らせるのがコツです。さらに、ドアの形状が内開き(部屋の内側に向かって開く)であれば、「L字金具」や「結束バンド」を使ったアイデアもあります。L字金具の片方をドアの上部の隙間に差し込み、もう片方をドア枠に引っ掛けるように配置すれば、簡易的なかんぬきのような役割を果たします。また、ドアノブと、近くにある固定された家具(頑丈な棚など)の脚を、複数の結束バンドで固く結びつけてしまう、という荒技もあります。これらの方法は、いずれも見た目はスマートではありませんし、緊急時に素早く解除できないというデメリットもあります。しかし、どうしてもという緊急時や、一時的なプライバシー確保のためであれば、試してみる価値はあるかもしれません。創造力を働かせれば、100円ショップは、あなたのアイデア次第で、簡易的なセキュリティグッズの宝庫にもなり得るのです。