「プライベートな空間がほしい」「兄弟に勝手に部屋に入られたくない」。そんな悩みを抱えていても、賃貸物件であったり、壁やドアに傷をつけたくなかったりして、本格的な鍵の取り付けを諦めている方は多いのではないでしょうか。しかし、ご安心ください。大掛かりな工事や工具を一切使わずに、誰でも簡単に、鍵のない部屋に鍵をかけることができる、便利な簡易ロックが数多く存在します。まず、最も手軽で代表的なのが、「ドアストッパー型」のロックです。これは、ドアを開けようとする力を、床との摩擦によって物理的に阻止するという、極めてシンプルな原理に基づいています。使い方は簡単で、ドアを閉めた状態で、ドアと床の隙間に、くさび形のストッパーをしっかりと差し込むだけ。外からドアを開けようとしても、ストッパーがつっかえ棒の役割を果たし、びくともしません。さらに、最近では、ドアが開けられると内蔵センサーが感知し、100デシベル以上の大音量アラームを鳴らす、防犯機能を備えたドアストッパーも人気です。次に、ドアとドア枠を利用して固定するのが、「ドアロック金具(トラベルロック)」です。これは、主に旅行先のホテルなどで、セキュリティを強化するために使われるものですが、もちろん自宅でも活用できます。L字型の金属プレートを、ドア枠の錠受け(ストライクプレート)の穴に差し込み、一度ドアを閉めます。そして、室内側から、その金属プレートに可動式のロックパーツをはめ込んで固定します。これにより、ドアは物理的に開かなくなり、非常に強固なロックとなります。工具不要で、手のひらサイズと携帯性にも優れているため、一つ持っておくと様々な場面で役立ちます。また、ドアノブの形状によっては、「ドアノブ固定グッズ」も有効です。これは、ドアノブと、近くの壁や柱との間に、突っ張り棒のような器具を渡して、ドアノブそのものが回転しないように固定するものです。これらの簡易ロックは、あくまで「室内側から」施錠するためのものであり、部屋の外から鍵をかけることはできません。しかし、在室時のプライバシー確保や、就寝時の安心感を高めるためには、十分すぎるほどの効果を発揮してくれます。
工事不要!鍵のない部屋に後付けできる簡易ロック