鍵のない部屋に、どうしても一時的に鍵をかけたい。本格的なロックを買うほどではないけれど、今すぐ、手軽に、そして何よりも安価に、プライバシーを確保したい。そんなわがままな願いを、もしかしたら100円ショップで手に入る、身近なグッズが叶えてくれるかもしれません。ただし、これらはあくまで応急処置的なアイデアであり、防犯性能を保証するものではないことを、あらかじめご理解ください。まず、最もシンプルで、多くの人が思いつくのが「ドアストッパー」です。100円ショップでも、ゴム製やシリコン製のドアストッパーは、様々なサイズやデザインのものが販売されています。ドアを閉めた状態で、ドアと床の隙間に、これを力一杯ねじ込むだけ。外からドアを開けようとする力を、床との摩擦力で受け止め、簡易的なロックとして機能します。より強度を高めたい場合は、二つ、三つと重ねて使うと良いでしょう。次に、少し応用編として、「突っ張り棒」を活用する方法があります。もし、ドアノブのすぐ近くに、頑丈な壁や柱があれば、その間に短い突っ張り棒を、ドアノブをがっちりと押さえつけるように設置します。これにより、ドアノブが回転するのを物理的に防ぎ、ドアが開かなくなるという仕組みです。突っ張り棒の長さを正確に調整し、かなり強い力で突っ張らせるのがコツです。さらに、ドアの形状が内開き(部屋の内側に向かって開く)であれば、「L字金具」や「結束バンド」を使ったアイデアもあります。L字金具の片方をドアの上部の隙間に差し込み、もう片方をドア枠に引っ掛けるように配置すれば、簡易的なかんぬきのような役割を果たします。また、ドアノブと、近くにある固定された家具(頑丈な棚など)の脚を、複数の結束バンドで固く結びつけてしまう、という荒技もあります。これらの方法は、いずれも見た目はスマートではありませんし、緊急時に素早く解除できないというデメリットもあります。しかし、どうしてもという緊急時や、一時的なプライバシー確保のためであれば、試してみる価値はあるかもしれません。創造力を働かせれば、100円ショップは、あなたのアイデア次第で、簡易的なセキュリティグッズの宝庫にもなり得るのです。